古民家の魅力を活かすリノベーションの費用についてその実例を挙げてご紹介

古民家には現代的な家屋には醸し出せないレトロ感があり、近年注目されている物件です。
ただ住みやすさで見ると、必ずしも今の暮らしに合っているとは言えず、多かれ少なかれリノベーションが必要となります。
では古民家が持つ魅力を活かしながら、住みやすい空間へとリノベーションするには、どのくらいの費用が必要なのか、その相場や利用できる補助金制度について解説していきます。

古民家をリノベーションするその魅力とは

最近、古民家の魅力が見直されつつあり、建物にリフォームやリノベーションを施し、カフェやアトリエ、また住宅などとして利用する人が増えてきています。
この古民家の定義は実は曖昧なもので、大枠で捉えると文字どおり古い民家となりますが、一般的な目安としては築50年以上のものを指すようです。
一般社団法人全国古民家再生協会による定義の場合、建築基準法が制定された昭和25年より前に建てられた、伝統的建造物の住宅となります。
ではこの古民家の魅力についてですが、もっとも特徴的なのが木造が持つ伝統的で格式のあるその雰囲気で、コンクリート造、鉄骨造などにはない唯一無二とも言えるものです。
築数十年の古い家屋が持つ独特の色合いや質感、また土間や縁側、広い和室などぜいたくに取られた間取りなどの魅力を、リノベーションによってさらに活かしていけるわけです。
その際、年季の入ったいわゆる大黒柱や梁などもともとそこにある素材をそのまま利用すると、古さと新しさが入り混じった新鮮な感覚を味わえます。
長い年月によって醸し出される雰囲気と、現代のデザインセンスの融合による家づくり、これこそがリノベーションの醍醐味と言えるわけです。
家にはその時代の流行りがあり、新築のときは斬新なデザインであっても、数年後には流行遅れになるものも珍しくはありません。
その点古民家であれば、もともとずいぶんと昔のものであるため、流行とはほぼ関係のない位置にあり、これから先もそこは揺るがないものと言えます。
またヒノキやケヤキなど貴重な木材を使用した手の込んだつくりのため、文化財としての一面もあり、そういった家に住めるのは、あまり体験できないものなのです。
ただいくらぜいたくで貴重な家屋であっても、そこに長年住んでいくためにはやはり住みやすさも必要で、とくに断熱性や耐震性に関しては補強や補修を考えなくてはいけません。
もちろん現代のライフスタイルとは少しずれている居住空間や設備の見直しも必要で、それにより、自分の生活に合った住みやすい家に変えていけるわけです。
その際多いのがキッチンやリビングなど生活の中心となる部分の工事で、昔ながらの雰囲気を残しながら、現代の生活にマッチしたスタイルに造りかえましょう。
また税金面でも魅力があり、古民家は築数十年のものであるため、リノベーションすれば建て替えよりも固定資産税が抑えられるメリットがあります。

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古民家のリノベーションでの費用の相場はどれくらいなのか

リノベーションをするうえでまず気を付けたいのが耐震性についてで、もちろん立派な柱や梁で作られた家屋は地震に対しても強い構造であるのは間違いありません。
ただほとんどの場合、現在の耐震強度の基準には適合していないうえ、木造といった性質が持つ腐食や劣化なども見えない部分で進行している可能性があります。
そのためまずはホームインスペクションなどにより、建物全体の耐震性や劣化状態を確認し、それにあった耐震補強工事を考える必要が出てくるわけです。
また断熱性も古い家屋で、現在の住宅のような高気密・高断熱とは言い難いものがあり、また天井が高く風通しが良い構造のためとくに冬場の寒さ対策は必須となります。
こうした断熱・耐震の工事は住みやすさを追求すると避けてはとおれないものですが、そのため当初予定していた予算よりも費用がかさんでしまうケースも少なくはありません。
とくに耐震性を現在の基準にまで引き上げるには、築年数にもよりますが最低でも150〜200万円はかかるため、余裕を持った資金計画をしておきましょう。
では古民家のリノベーションの相場がどれくらいなのかを見ていきますが、これは築年数やその物件の状態によってさまざまですので、一概に言えないのが実情です。
ただそれでも一応の目安として挙げるのなら、床面積が20坪のケースで1,400〜1,800万円、40坪で2,000〜2,600万円、60坪なら3,200～4,200万円となります。
実例を挙げますと、築40年の物件でキッチンなどの水回りから、リビングやバルコニーまで全面的なリノベーションを施した場合の費用が1,200万円です。
次は納屋のみをリノベーションしたケースで、納屋を住まいにするため築100年以上の物件の土間部分に水回りを設置し、既存部分を残した場合で約900万円となります。
築100年以上の物件を住みやすく、なおかつコストダウンを図った実例では890万円、築60年の古民家の外壁をサイディングにした例で170万円となっています。
フルリノベーション、既存部分を残すもの、また外壁や屋根など一部分を変えるものなどそれぞれありますが、費用としては100万円単位になると見ておくのが良いでしょう。

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古民家リノベーションに使える補助金制度について

古民家は日本の伝統的な建築物としての価値があり、残していきたいものですが、古民家再生するためには、数百万円から数千万円と莫大な費用がかかります。
その費用の内訳としてまずは耐震や断熱があり、具体的には建物自体の補強工事や壁に断熱材を入れる、窓を複層ガラスにするといったものになります。
また水回りのリノベーションは古民家においては必須とも言え、和式のトイレを洋式にすする、給湯器やシステムキッチンの設置などがよくある事例でしょう。
築年数の古い家屋では雨風によるダメージを見た目以上に受けているケースも多く、屋根や外壁の塗装や補修、また新調が必要となる場合もあります。
そして将来的にみていくと、バリアフリーも検討しなければならず、段差解消とともに、廊下や階段への手すりの設置や浴室の暖房などが必要です。
古民家はサステナブルの観点からも注目されているため、どうせリノベーションするのなら、太陽光パネルやエコキュートの設置なども考えたいものです。
このように古民家再生には多くの項目があり、それぞれに費用がかかり、最終的にはかなりの金額になるため、補助金制度の利用をおすすめします。
その補助金制度としては、耐震補強への補助金があり、これは各自治体で受け取れますが、すべての自治体で可能ではなく、また条件や額も異なってきます。
次に太陽光パネルの設置や断熱工事、LEDの取り付けなど省エネ対策に関しても補助金が受けられますが、対象外となる製品があるため注意してください。
またバリアフリーにする際は要介護1〜5に認定された方との同居を条件として、介護保険から工事費用の9割、最大で18万円が受け取れます。
このようにいくつかの補助金制度がありますが、各自治体によって受けられるかどうかが違うため、ホームーページなどで確認したうえで検討しましょう。

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まとめ

最近、古民家の購入を考える方が多くなっていますが、そこに住むにはリノベーションが不可欠で、場合によっては1,000万円以上の費用がかかってくるわけです。
補助金制度については各自治体へ問い合わせ、利用できるものは利用しましょう。
ただ憧れだけで購入を決めるのではなく、長く住む前提で考えてみてください。